建学の源流・デンマークに東海大学ヨーロッパ学術センター

2016年12月12日掲載

日欧の架け橋として半世紀前から日本文化を紹介

本学園は、初の海外機関として1970年9月、デンマーク・コペンハーゲン近郊に国際交流活動の拠点として東海大学ヨーロッパ学術センターを開設しました。ヨーロッパを中心とした欧米諸国の大学や教育・研究機関、政府などとの積極的な交流を目的としたもので、同センターでは平和に関するシンポジウムの定期的な開催や、日本学シンポジウム、日本文化週間などを開催し、北欧でまだなじみのなかった日本文化の積極的な紹介に努めてきています。1971年9月にはヨーロッパ歴訪中の昭和天皇・皇后両陛下が訪問され、松前重義総長(当時)がセンターの活動について説明されました。また、デンマーク王国のマーグレーテ王女(現・マーグレーテ女王2世)は、1971年、1972年に訪問され、日本文化週間の催しを見学されるなど日本文化への深い理解を示されました。このように本センターは、日本とデンマークおよびヨーロッパ諸国との交流の懸け橋としての役割を果たしてきています。

本学園の歴史においてデンマークは、建学の源流ともいうべき特別な意味を持っています。創立者・松前重義は、19世紀末にドイツとの度重なる戦争に敗れたデンマークが、教育によって国を復興したことに深く感銘しました。特にその精神的支柱となったN.F.Sグルントヴィ(1783~1872)の提唱する国民高等学校の全人的教育と「生きた学校」といわれる自由な学校の姿に教育の理想を見出し、これを手本に東海大学の母体となる私塾・望星学塾を開設したのです。その精神は本学園の教育に今日も受け継がれています。1967年には日本で初めて北欧文学科(現・北欧学科)を開設し、北欧諸国の社会・歴史・文化など我が国における北欧研究の先端を切り開いてきています。

ヨーロッパ学術センター正面
ヨーロッパ歴訪中の昭和天皇・皇后両陛下がセンターをご訪問(1971年)
第5回平和シンポジウム(1987年)
書道のデモンストレーション(1980年)