学部・学科を超えた総合科目のさきがけ「現代文明論」

2016年10月1日掲載

人生の基盤となる思想と世界観を培う

学園の創立者・松前重義は学園の教育の指針として四つの言葉を掲げ、その初めに「若き日に汝の思想を培え」と述べています。これは、世の中の変化に流されず人生の基盤となるものの見方・考え方の確立を学生・生徒に求めたもので、これを学園の教育のなかで具体化したものが大学・短大の「現代文明論」であり付属高等学校の「高校現代文明論」です。

「現代文明論」の講義が始まったのは1958(昭和33)年。当時東海大学学長だった松前重義が自ら教壇に立ち、その歴史観、世界観を述べ、文系、理系を問わず歴史を大観し、広く世界に目を向けることを学生たちに説くもので、学部・学科を超えた全学必修の科目でした。こうした総合的な科目は、1970年代以降、学園紛争の反省から多くの大学が学部横断的な科目として開講するようになりましたが、東海大学ではこれらにさきがけて文理融合の科目をカリキュラムに設置し、今日東海大学が進める教養教育の中核をなす科目となっています。また、付属高校でも大学と連携した「高校現代文明論」が開講されています。

松前重義総長(当時)による最後の現代文明論講義(1988年)
松前達郎総長(当時)による現代文明論講義
松前重義著「現代文明論」