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体験しながら学べる博物館、回遊型大水槽の先駆け
2017年10月30日掲載
大学の研究成果を社会へ還元する海洋学部博物館
本学園は1962年、わが国初の海洋学部を開設すると、海洋の教育・研究とその成果を広く社会に還元し海洋の知識の普及と啓発を図るため、海洋に関する博物館の設置を計画。1970年、静岡県清水市三保(現・静岡市清水区三保)に海洋科学博物館を開設しました。同博物館は、海洋学部の教育・研究の場であると共に、海洋生物を展示するだけでなく、実際に海洋生物に触れることができるなど、海の科学と魅力を体験しながら学べる博物館として、今日まで広く社会教育に貢献しています。特に、高さ(水深)6メートル、水量600トンに及ぶ海洋大水槽は、当時技術的に困難とされていたもので、これを世界で初めて開発・完成させました。水槽内部にはサンゴ礁や海藻などを置いて自然の海中と同じ状態を作り出し、多様な魚類(開館当初は大小60種3,000尾)を回遊させる方式は、水族館としても画期的なものでした。この回遊型大水槽は、その後全国の水族館における展示方法の先駆けとなったのです。また、海洋生物の動き模した機械生物(メカニマル)を展示する機械水族館など、ユニークな展示が人気となっています。
本学園では、同博物館に続きこの一帯に人体科学博物館、航空科学博物館、自然史博物館を開設、三保研修館、三保文化ランドなどと合わせ、1982年に総合的な社会教育の拠点である東海大学社会教育センターとして整備。その後統廃合を進め、2014年には社会教育センターを海洋学部に統合し、現在は海洋学部博物館として海洋科学博物館と自然史博物館を置き、海洋や生命の科学の普及・啓発に努めています。2016年からはアクアマリンふくしま(福島県いわき市)と、深海魚ラブカに関する研究プロジェクトを推進、生きた化石といわれるラブカの生理・生態の研究を進めています。