スポーツを通じて世界の平和と友情を

2018年3月20日掲載

拠点づくりやフォーラム開催など武道や野球の国際化に貢献

学校法人東海大学は、スポーツを通じた国際交流活動を幅広く展開しています。創立者松前重義は「スポーツは平和の薬」「国際平和実現のための使命をスポーツは担っている」と述べ、特に日本固有の武道を通じて各国との相互理解を深めるため、その国際的普及にいちはやく取り組みました。松前は、1979年国際柔道連盟会長に就任すると国際的なルール作りや女子柔道の普及に努めるほか、武道の国際化にはこれを担う指導者育成が不可欠として1984年国際武道大学(別法人)を開設しました。また、本学園は国際的なスポーツ・文化の交流拠点として同年オーストリア・ウィーン市に学校法人東海大学松前武道センター(2007年ウィーン市に移譲、現・ウィーン市立松前武道センター)を開設しました。

こうした活動を基盤に本学園では、様々なスポーツ交流を展開しています。1992年からヨーロッパを中心に武道フォーラムを開催。技術交流だけでなく学術面から世界における武道の在り方を探る活動を続けています。2005年には、東海大学などが協力して日ロ修好150周年記念事業としてロシア・ウラジオストクにおいて武道演武会を開くなど、新たな交流の道を拓いています。

一方、松前は、1980年代、アメリカとソ連(当時)の政治的緊張を緩和するためにスポーツによる平和外交を推進。特にアメリカ生まれの野球をソ連や中国にも普及させ、相互理解を深めようと各国に働きかけました。松前はソ連で野球を普及させるため本学園と交流のあるモスクワ国立大学に野球場を寄贈することを提案。これに賛同した学園関係者や多くの人々の協力で1989年「モスクワ大学松前記念スタジアム」が完成しました。同スタジアムでは、松前の提唱で日米中ソの四カ国の学生による国際親善野球大会を開催。また、東海大学野球部などが中心となり、選手育成、指導者交流を行うなど、野球の国際化に尽力しました。こうした活動を背景として、1992年のバルセロナ五輪で、野球はオリンピック正式種目となりました。本学園は、スポーツを通じて国家間の友情を育むという松前の平和への思いを受け継ぎ、国際活動を展開しています。

ウィーン市立松前武道センター(オーストリア)
第3回武道フォーラム(1999年/オーストリア)
松前武道センターでの武道演武会(1999年)
モスクワ大学松前記念スタジアムのオープニングセレモニー(1989年/ロシア)