深海性チョウチンアンコウの仲間「Rhynchactis macrothrix」を日本初記録 種子島沖および駿河湾で採集 ~樹木の枝先から滴る雨雫にちなみ、新標準和名「シズクアンコウ属」「シズクアンコウ」を提唱~

2026年07月27日

 東海大学[静岡キャンパス]の犬塚 敦己(本学大学院海洋学研究科2年次生)、日野田 祥太(本学大学院海洋学研究科1年次生)および、髙見 宗広(本学海洋学部水産学科講師)らの研究グループは、種子島沖および駿河湾での深海調査において採集された深海魚が、日本初記録となるシダアンコウ科魚類「Rhynchactis macrothrix 」であることを明らかにしました。本種が属するRhynchactis属 は、これまで国内における報告例がなかったことから、同研究グループは属の標準和名として「シズクアンコウ属」、種の標準和名として「シズクアンコウ」を新たに提唱しました。本研究成果は、7月20日(月・祝)、日本魚類学会の和文誌『魚類学雑誌』(オンライン版)に掲載されました。

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<本研究成果のポイント>

本属は日本初記録であることから、新たに属の標準和名「シズクアンコウ属」、種の標準和名「シズクアンコウ」を提唱。
種子島沖と駿河湾で採集された深海魚が、日本初記録となるシダアンコウ科魚類 Rhynchactis macrothrix であることを確認。
今回の標本は2022年および2023年に、本学海洋調査研修船「望星丸」による深海調査で採集。
世界でも大西洋、インド洋、台湾近海などから計10個体しか知られていなかった希少種であり、日本近海での分布が初めて明らかになった。

 

【研究概要】

 チョウチンアンコウ類は生息水深が極めて深く、採集の機会が限られることから、その多くは分布や分類の解明が進んでいません。今回研究グループが特定したシダアンコウ科の「Rhynchactis macrothrix 」は、誘引突起(頭部から伸びる釣り竿のような器官)の長さや、その先端にある付属物の形態といった形態学的特徴によって、同種であると判断されました。本種はこれまで大西洋、インド洋、および台湾近海からわずか10個体のみが知られている極めて希少な深海魚であり、今回の発見によって日本近海における分布が世界で初めて明らかになりました。

 標本となった個体は、2022年および2023年に本学所有の海洋調査研修船「望星丸」による深海調査の過程で、種子島沖および駿河湾からそれぞれ採集されたものです。本種が属するRhynchactis属はこれまで日本国内からの報告が一切なかったため、同研究グループは日本初記録の「属」および「種」として、それぞれに新しい標準和名を提唱しました。

 新たに命名された「シズクアンコウ」という和名は、本族の雌が持つ特徴的な「枝分かれする尾鰭条(びきじょう)」と、丸みを帯びた頭部から尾部に向けて細くなっていく体型が、まるで「樹木の枝先から滴り落ちる雨雫」を連想させることに由来しています。四方を深海に囲まれた日本近海における生物多様性の解明に向け、本研究は学術的に極めて重要な足跡を印すものであると考えています。

■論文情報

論文タイトル

種子島沖および駿河湾から得られた日本初記録のシダアンコウ科魚類

Rhynchactis macrothrix シズクアンコウ(新称)

著者

犬塚 敦己(東海大学大学院海洋学研究科2年次生)、日野田 祥太(東海大学大学院海洋学研究科1年次生)、髙見 宗広(東海大学海洋学部水産学科講師)

掲載誌

『魚類学雑誌』(オンライン版)(2026年7月20日掲載)

DOI

https://doi.org/10.11369/jji.26-011

 

<研究内容に関するお問い合わせ>

東海大学海洋学部 講師 髙見宗広

TEL:054-334-0411

 

<本件に関するお問い合わせ>

東海大学 静岡カレッジオフィス企画広報係 柴田

TEL:054-337-0144 メール:koho-shizuoka@tokai.ac.jp

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