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耳鳴治療用アプリを用いた特定臨床研究結果に関する学会発表のお知らせ
2025年10月16日

杏林製薬株式会社
東海大学
サスメド株式会社
この度、東海大学医学部付属病院が実施した、耳鳴治療用アプリケーション「KRP-DT123/SMD403」(以下、本アプリ)を用いた医師主導の特定臨床研究(jRCTs032230359)の結果が「第70回日本聴覚医学会総会・学術講演会」において、研究代表医師である和佐野 浩一郎教授(東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 領域主任)より報告されましたのでお知らせします。
本アプリは、杏林製薬株式会社とサスメド株式会社が共同で開発※1しており、この度、杏林製薬が協力し、東海大学が本アプリを用いた特定臨床研究を実施しました。
本研究は、苦痛を伴う慢性耳鳴患者を対象に、本アプリの有効性及び安全性を探索的に検討することを目的とした、多施設共同ランダム化二重盲検比較試験です。
今回、主要評価項目であるアプリ処方後16週時点における0週時点からのTHI(耳鳴苦痛度問診票)合計スコアの変化量において、治療用アプリ群はシャムアプリ群と比較して統計学的に有意に改善し(ΔTHI -16.8 vs 3.6, p<0.001)、治療期終了8週間後も効果が維持されていました。
またその他の評価項目である、TFI(耳鳴問診票)の変化量において有意な改善(p<0.001)を示し、NRS(数値評価スケール)において、耳鳴のわずらわしさ及び耳鳴のコントロールが統計学的に有意に改善(それぞれp<0.001)しました。さらに、不安、不眠に関するスコアの有意な改善(HADS不安スコアp=0.017、AIS:アテネ不眠尺度 p=0.027)、また抑うつの改善傾向も見られました(HADS抑うつスコアp=0.082)。
安全性に関して問題となる事象は、治療用アプリ群において確認されませんでした。
本研究に関する詳細については、現在、論文を投稿中であり、また今後jRCT(臨床研究等提出・公開システム)に登録し公開される予定です。
以上
耳鳴について
耳鳴の治療では、一般的に薬物療法が最も多く選択されていますが、医師による治療満足度は現行治療法の中で最も低いことが報告されています※2。一方、薬物療法以外の治療法においては、時間や手間、診療報酬等の課題により普及しづらい側面があるのが現状です。
杏林製薬株式会社とサスメド株式会社は、新たな治療選択肢を提供することでこれらの課題を解決することを目指しています。
特定臨床研究について
「臨床研究」とは、医薬品、医療機器等を人に対して用いることにより、当該医薬品、医療機器等の有効性又は安全性を明らかにする研究と「臨床研究法(第二条)」で定義されており、「特定臨床研究」とは、臨床研究のうち、医薬品や医療機器等の製造販売業者又はその特殊関係者から研究資金等の提供を受けて実施する臨床研究、又は未承認・適応外の医薬品、医療機器等の臨床研究を指します。
シャムアプリについて
医薬品開発におけるプラセボに相当するアプリ。
※1 2022年11月9日プレスリリース「耳鼻科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結契約」https://www.kyorin-pharm.co.jp/news/2022/001680.shtml
※2 谷下田 雄一,吉田 敬,和佐野 浩一郎: 国内における耳鳴診療に関するWEB実態調査.Audiology Japan 67: 548-557, 2024
【本件に関する問い合わせ先】
杏林製薬株式会社 経営企画部 広報・IRグループ(菊池・宇井)TEL 03-6374-9702
東海大学 医学部付属病院事務部事務課(広報) E-mail: prtokai@tokai.ac.jp
サスメド株式会社 E-mail: support@susmed.co.jp

