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【記者説明会(対面・オンライン)のご案内】 国内初 膝下血管病変向け薬剤溶出型ステントシステム 医師主導治験開始 ~下肢切断回避、患者QOL改善目指す医療機器の実用化へ~
2025年08月12日
東海大学医学部では、8月27日(水)15:30より、鉃鋼カンファレンスルームROOM5およびオンライン(Zoom)にて、国内初となる「膝下血管治療用薬剤溶出型ステントシステムの医師主導治験」(jRCT番号:jRCT2032250267)に関する記者説明会を開催いたします。
本システムは、進行性で治療が難しい重度動脈硬化症に伴う膝下血管病変の治療改善と患者のQOL向上を目的に開発された、日本発・世界初の革新的ナノコーティングステント(高度管理医療機器クラスⅣ)であり、医療現場と患者が切望するアンメット・メディカル・ニーズとなっています。この度、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験計画届出(治験識別番号:HSB-0914)を経て、2025年秋頃より「膝窩動脈以下の細径動脈硬化性病変に対する薬剤溶出型ステントシステムの安全性及び有効性を評価する多施設共同試験(医師主導治験)」を開始します。
足の動脈の虚血性疾患である下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)は、全世界での潜在的な患者数が2億人以上とされており、糖尿病、喫煙、肥満、脂質代謝異常、腎疾患、加齢などが危険因子とされています。症状が悪化し下肢切断に至ると5年後生存率が50%を下回る(下肢重症虚血)ことが知られており、ある種の癌よりも生命予後が不良となる命に関わる病気であり、早急な血行再建が必須です。既存の治療法には、バルーンカテーテルを用いた血管内治療や外科的バイパス手術がありますが、特に膝下の血管は細く血流が遅く、石灰化病変も多いことから治療が困難とされてきました。現在の標準治療であるバルーンカテーテルによる血管拡張術では、約70%もの患者が3カ月以内に再狭窄をきたすとの報告もあり、下肢切断リスクの低減につなげる治療の実現が難しくなっています。
2000年代より東海大学医学部付属八王子病院画像診断科/血管内治療センターの長谷部光泉教授を中心とする医工連携研究グループは、従来の血管を拡張させる機能を持ちながら異物として血管内で認識されず(ステルス化)血管修復・再生を促進するステント開発(BioStealthTM)を実現するために、ナノコーティングテクノロジー(BioDiamondTM)、ポリマーテクノロジー(BioGradiaTM)に代表される基礎技術開発を進めてきました。その後、これらの知見をもとに、2018年より国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)(課題番号:JP25ym0126089, JP21hm0102059)の支援(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター支援)を受け、膝窩動脈以下の既存治療に課題のある領域にも効果を発揮するステントの開発に取り組んできました。本治験においては、この開発品の安全性および有効性を評価します。
記者説明会では、本開発を主導した長谷部教授から、今回開発した薬剤溶出型ステントシステムの概要と特性、その応用範囲の広さについて解説します。また、治験の責任医師を務める同病院・小川普久准教授(八王子病院院長:野川茂教授)からは、治験の具体的なスケジュール、多施設情報(施設・責任医師)、対象患者の募集方法、および下肢温存治療への期待について説明します。
■参加申込方法
以下のURLもしくは右記の二次元コードよりお申込みください。(申込みは終了しました) |
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URL |
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申込期限 |
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2025年8月26日(火)17:00 |
■開催概要
日時 |
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2025年8月27日(水)15:30~17:00 |
会場 |
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①鉃鋼カンファレンスルームROOM5 (東京都千代田区丸の内1-8-2鉃鋼ビルディング南館4F) ②オンライン(Zoom) |
出席者 |
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東海大学医学部 学部長 大上 研二 東海大学医学部付属八王子病院 病院長 野川 茂 東海大学医学部付属八王子病院 画像診断科/血管内治療センター 教授 長谷部 光泉 東海大学医学部付属八王子病院 画像診断科/血管内治療センター 准教授 小川 普久 |
アクセス |
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JR東京駅八重洲北口、日本橋口徒歩2分、地下鉄大手町駅B10出口直結、 地下鉄丸ノ内線東京駅6分、地下鉄日本橋駅A3出口より3分 https://tekkolounge.com/ja/access/
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<本件に関するお問い合わせ>
東海大学医学部付属病院 事務部事務課(広報) 担当:後藤・藤岡