「水中考古学と地球科学"文理融合から導く総合学術知"」を開催 ~各地から専門家が参集、地球と人類社会の関係を紐解く学術分野開拓の可能性を探る~

2023年03月07日

東海大学海洋研究所では、3月12日(日)、本学静岡キャンパス8号館4階PLATにて、「水中考古学と地球科学“文理融合から導く総合学術知”」と題したシンポジウムを開催いたします。

近年、水中に沈む沈没船や遺物から歴史を塗り替えるような発見が相次ぎ、水中考古学への関心が高まっています。そうしたなか、昨年出版された水中考古学の学術書『図説 世界の水中遺跡 ―水底に眠る「時の証人」を求めて』(木村淳・小野林太郎編著/グラフィック社出版)では、「水中遺跡の魅力や価値を、世界史的な視点、あるいは人類史的な枠組みから評価し、学術的な背景を踏まえて紹介する」(同書から引用)ことが重要であるとし、反響を呼んでいます。

本シンポジウムではそうした世界史的な視点や人類史的な枠組み、学術的な背景に加え、さらに地球環境や気候変動といった地球科学的な観点からも水中遺跡の意義や水中考古学の手法について考えることを通して、地球と人類社会の関係を紐解く新しい学術分野開拓の可能性を探ります。

当日は、国立民族学博物館、国立研究開発法人海洋研究開発機構、静岡大学、國學院大學、京都大学、東海大学から水中考古学と地球科学の専門家が参集し、学術研究の発展に向けて議論します。

本学では、総合学園としてのリソースを活用し、集いと交流をとおして教育・研究の成果を広く社会に還元し、より良い地域社会づくりに寄与していきたいと考えています。このシンポジウムも、そうした本学の考えを体現するものです。

■開催概要
日時 : 2023年3月12日(日)13:00~17:00
会場 : 東海大学静岡キャンパス8号館4階PLAT(所在地:静岡市清水区折戸3-20-1)
主催 : 東海大学海洋研究所
共催 : 東海大学海洋学部・人文学部、海洋研究開発機構高知コア研究所

■プログラム
13:00~13:10 趣旨説明・挨拶            東海大学海洋研究所 所長 平 朝彦

セッション1 海洋環境変動とホモ・サピエンスの航海
13:10~13:20   趣旨説明 国立民族学博物館 小野 林太郎氏
13:20~13:40  「黒曜石の考古学」静岡大学人文社会科学部 教授 山岡 拓也氏
13:40~14:00  「神津島周辺海域の黒曜石産地−周辺海域の環境変動」東海大学海洋学部 教授 坂本 泉
14:00~14:20  「北米大陸における人類の拡散―海岸ルートの役割」東海大学海洋研究所 所長 平 朝彦

セッション2 海難事変と古海洋気象:蒙古襲来
14:20~14:30   趣旨説明                東海大学人文学部 准教授 木村 淳
14:30~14:50  「長崎県鷹島海底遺跡-成果と展望」  國學院大學文学部 教授 池田 榮史氏
14:50~15:10  「走錨問題と海底土質工学」          元東海大学 教授 佐藤 治夫
15:10~15:30  「古ストームイベント:堆積物からの解読」 京都大学 名誉教授 増田 富士雄氏

セッション3 地震・津波・火山災害と水中考古学
15:30~16:40   趣旨説明    国立研究開発法人海洋研究開発機構 上席研究員 谷川 亘氏
15:40~16:00  「桧原湖湖底遺跡研究の速報と湖底災害遺跡研究の未来像」 京都大学防災研究所 教授 山﨑 新太郎氏
16:00~16:20  「災害伝承から歴史南海地震にどこまで近づけるか」 国立研究開発法人海洋研究開発機構 上席研究員 谷川 亘氏
16:20~16:40  「東北地方太平洋沖地震・津波イベントの考古学的意義」 東海大学海洋学部 助教 横山 由香

Closing セッション
16:40-17:00  「地球科学と水中考古学の推進」(モデレータ:東海大学海洋研究所 所長 平 朝彦)

<本件に関するお問い合わせ>
東海大学スルガベイカレッジ静岡オフィス
企画・広報担当:山本、柴田
TEL.054-337-0144

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