東海大学の創立者・松前重義 野球殿堂入り(特別表彰)決定 ~国際交流を通じた国内外の野球振興などに貢献~

2022年01月14日

学校法人東海大学の創立者・松前重義(まつまえ しげよし、1901年~1991年)がこのほど、公益財団法人野球殿堂博物館より、日本の野球の発展に大きく貢献した方々の功績を永久に讃え、顕彰する「2022年野球殿堂入り」(特別表彰)に選出されたとの発表がありましたので、お知らせいたします。
 なお、後日開催される表彰式終了後、野球殿堂博物館内の殿堂ホールに顕彰レリーフ(ブロンズ製胸像額)が掲額されるとのことです。

<松前重義の主な功績>
■スポーツを通じた世界平和への貢献
松前重義は「スポーツを通じて国家間の友情をはぐくむ」という平和への思いをもって、東西冷戦時にもさまざまなチャネルを通じて民間外交に努めました。アメリカ・ロサンゼルス・ドジャースのピーター・オマリー会長と親交のあった松前は、オマリー氏から野球のオリンピック正式種目採用への協力要請を受けると、同氏と協調してソ連・東欧諸国への民間外交を継続。ロス五輪のソ連ボイコットで東西対立の緊張が高まる中、松前は1989年にソビエト連邦・モスクワ大学へ野球場(松前記念スタジアム)を建設・贈呈し、国際的な野球の普及とスポーツを通じた国際交流を推し進めました。同球場で日ソ米中4カ国の大学による「第1回国際学生野球大会」が行われ、同大会はこの後、隔年で2007年まで開催されました。

■大学野球の振興
 大学野球の振興にも注力した松前は、全日本大学野球選手権大会の出場校を大幅に広げたいとの意向から、首都大学野球連盟を1964年に設立しました。発足時の加盟大学は、東海大学、日本体育大学、明治学院大学、成城大学、武蔵大学、東京経済大学、東京教育大学(現筑波大学)の7大学で、現在は計16大学による2部制でリーグ戦が実施されています。松前は、学生野球において、学生が学問とスポーツを両立し、野球を通じて人生を学ぶことを願い、ひいてはスポーツによる友好親善を展開していくことを説き続けました。

■高校野球の振興
 松前は1944年に旧制における電波工業学校(現東海大学付属高輪台高校)、1948年には新制における東海高等学校(同)を設立し、その後、全国に付属高校を開校しました。学園の付属高校(提携校含む)14校のうち、これまでに12校が甲子園(夏の全国大会または春の選抜大会)に出場しています。松前自身も1971年から20年間にわたり日本高校野球連盟最高顧問を務めました(1991年8月逝去まで)。


<松前重義の略歴(一部抜粋)>
西暦 略歴
1901年 熊本県上益城郡上嶋村(現嘉島町)にて出生(10月24日)
1914年 熊本中学校入学
1919年 熊本高等工業学校電気工学科入学(4月)
1922年 東北帝国大学工学部電気工学科入学(4月)
1925年 東北帝国大学卒業(3月)
1925年 通信省入省(4月)
1933年 逓信省よりドイツ留学を命じられる
1934年 ドイツ留学からの帰路、アメリカ・ニューヨークにてヤンキースの試合を観戦
1945年 逓信院総裁に就任(8月)
1946年 公職追放令該当者となる(9月)
1947年 武蔵野文化都市建設株式会社(のちの「東京グリーンパーク」)社長就任(5月)
1950年 公職追放解除(10月)
1952年 学校法人東海大学理事長就任(~1991年1月)、学校法人東海大学学長就任(~1967年3月31日)
1952年 第25回総選挙にて、衆議院議員初当選(熊本第1区)(10月)
1964年 首都大学野球連盟設立(6月)、初代会長就任(1991年8月まで)
1971年 日本高等学校野球連盟最高顧問就任(1991年8月まで)
1974年 全日本大学野球連盟副会長就任(1984年5月退任)
1974年 日本学生野球協会副会長就任(1991年8月まで)
1975年 第4回日米大学野球選手権大会の日本選手団団長として渡米
1979年 国際柔道連盟(IJF)会長就任(12月)
1984年 国際武道大学、千葉県勝浦市に開学(4月)。理事長・学長に就任。
1984年 ロサンゼルスオリンピックで野球が公開競技として実施される。日本選手団の本部役員として参加
1986年 ドジャース・ピーター・オマリー氏らが中国・天津に野球場を建設。松前が助力。
1991年 逝去(8月25日)



■本件・ご取材に関するお問い合わせ
学校法人東海大学 理事長室企画調整課 担当:市川・下山
TEL.03-3467-2211(代表) E-mail:tes-planning@tokai.ac.jp

■野球殿堂入りに関する問い合わせ
公益財団法人野球殿堂博物館
担当:茅根(ちのね)
TEL.03-3811-3600
E-mail:mailadm@baseball-museum.or.jp

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