津波シェルター開発のための駿河湾内乗船実験を実施~駿河湾海上で津波シェルターに乗船、漂流時の心情などを計測~

2018年12月07日

東海大学海洋学部の航海工学科海洋機械工学専攻 准教授 渡邉 啓介〔わたなべ けいすけ〕研究室では、12月11日(火)9:00より、駿河湾内にて、小規模事業所及び一般家庭用の「小型津波シェルター」の乗船実験を実施いたします。

この小型津波シェルター「+CAL(タスカル、助かる)」は、地震発生から津波到達までの限られた時間内でいかに人命を守るかをコンセプトに、株式会社ミズノマリンを中心に渡邉研究室の協力によって開発しているものです。設計は、海上人命安全条約(SOLAS条約)に則っており、高波によって横転しても自動復帰するセルフライディング構造や、船体に大きなダメージを受け、万一完全に浸水しても沈まない不沈構造などを採用しています。
当日は、この小型津波シェルターに海上で初めて実際に乗船し、パドリング(オールを使用)による推進力、漂流の方向や距離、数時間シェルター内で過ごした際の心理状態などを実海域で検証します。

■実施概要
日時:2018年12月11日(火)7:30~8:30(津波シェルター公開〔報道関係者対象〕)
   9:00~16:00(桟橋から移動・実験)
   ※荒天による実施の可否は、10:00に判断します。
   中止の場合は、12月15日(土)9:00~16:00に延期する予定です。
場所:〔出港・帰港〕東海大学海洋臨海実験場 桟橋
   〔実験〕駿河湾内(三保園ホテル沖付近から開始)
内容:桟橋から曳航し、船舶の航行の多い海域を避けて、駿河湾沖(北緯34.99315N、東経138.545858E付近)にてドリフト実験を実施
   〔記録するデータ〕
   ①実際の定員(8名)を乗せ、海上での漂流した折の船体の動揺確認
   ②パドリング航行時の船速と推定航続可能距離測定
   ③実験海域における漂流の状況(一定時間漂流したらどちらの方向に
    何マイル流されるか)
   ④漂流者(救助待機者)の心情
■津波シェルターの概要
全長  :2.55m(フェンダーを含む)、2.24m(標準船体)
全幅  :2.14m(フェンダーを含む)、1.85m(標準船体)
全高  :2.01m(スリングスレートを含む)、1.95m(標準船体)
船体重量:約500kg
収容定員:8名
特徴  :転覆しても自然に回復する自己安定性を有し、ハッチも防水機構となっており、
     浸水しない構造


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