駿河湾で発見された深海魚の新種~クサウオ科「Paraliparis variabilidens(標準和名:ミツバインキウオ)」と命名~

2019年05月09日

標準体長52.0 mm
東海大学海洋学部水産学科の福井篤研究室に所属する大学院生 村﨑謙太(大学院生物科学研究科博士課程3年)らの研究グループは、駿河湾(静岡県)で採集したクサウオ科の深海魚を、新種「Paraliparis variabilidens(標準和名:ミツバインキウオ)」と提唱し、4月22日(月)付で日本魚類学会発行の英文学術誌『Ichthyological Research』のオンライン版に掲載されました。

 今回新種として認められた「Paraliparis variabilidens(標準和名:ミツバインキウオ)」は、2016年11月に本学部所有の小型舟艇「北斗」によって、駿河湾の水深1,462~1,562mから採集されました。本種は、歯や胸鰭の形、眼の大きさ、体色などの特徴が、これまで知られている他種とは明らかに異なっています。また、ミツバインキウオという標準和名は、本種の特徴の一つである「先端が三つ又に分かれた歯」に由来しています。

今回の駿河湾からの新種発見は、2017年の「スルガビクニン」と2018年の「オナガインキウオ」に続き3例目となります。都市部からごく近い海で立て続けに新種が発見される事例は近年では珍しく、学術的に見ても非常に価値の高い発見と言えます。

論文タイトル Paraliparis variabilidens, a new snailfish (Liparidae) from the Suruga Trough, Japan
著    者 Murasaki Kenta, Takami Munehiro, Fukui Atsushi
掲  載  誌 Ichthyological Research オンライン版(2019年4月22日掲載)
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10228-019-00692-y
https://doi.org/10.1007/s10228-019-00692-y

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東海大学清水事務課 担当:石田・石神(いしがみ)・逆井(さかさい)
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