駿河湾で深海魚の新種を発見~「スルガノオニビParaliparis hokuto」と命名~

2019年11月21日

写真:東海大学福井研究室
東海大学海洋学部水産学科の福井篤研究室に所属する大学院生 村﨑 謙太〔むらさき けんた〕(生物科学研究科博士課程3年次)らの研究グループが、駿河湾の深海からクサウオ科の新種を発見、「スルガノオニビParaliparis hokuto」と命名し、10月29日(火)に日本魚類学会発行の学会誌『Ichthyological Research』のオンライン版に掲載されました。
(『Ichthyological Research』オンライン版URL https://doi.org/10.1007/s10228-019-00717-6)

同研究グループは、2014年から16年にかけ、本学所有の小型舟艇「北斗」を用いて深海魚調査を実施し、駿河湾の水深1,432~1,562mから2個体のクサウオ科魚類を採集しました。これら2個体は、歯の列数や胸鰭の骨格形態などが、既に知られている他種とは異なることから新種であると判明しました。

なお、新種の「スルガノオニビ」という標準和名は、同種の火の玉の様な形と色に因んで命名されました。また、種小名の「hokuto」は、深海魚調査を行った本学所有の小型舟艇「北斗」に由来しています。

これまでにも、同研究グループによってスルガビクニン(2017年)、オナガインキウオ(2018年)およびミツバインキウオ(2019年)の3新種が駿河湾から発見されています。人間の活動圏からごく近い海で新種の生物が立て続けに発見されることは稀であり、このような成果は、学術的にも非常に価値のあることと言えます。

本学では、自然と調和した社会の発展に寄与し、人類の恒久平和と福祉の向上を実現するために、平和目的の原則に沿った研究倫理のもとで、自由で活発な研究を推進しております。この度の新種発見もそうした考えに基づいて行われた研究の成果です。

■本件に関するお問い合わせ
東海大学清水事務課 担当:石田・石神(いしがみ)・逆井(さかさい)
TEL.054-334-6913(直通)

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