地域創造学科、学生が視覚障がい当事者と協力して、視覚を用いないで スポーツを「みる」方法の開発に挑戦 ~授業の中で議論重ね、8月23日にエスコンフィールドHOKKAIDOで開催される 北海道日本ハムファイターズの公式戦で実践~

2023年06月26日

▲「地域創造フィールドワークC」の授業の様子
東海大学[札幌キャンパス]国際文化学部地域創造学科では、選択科目「地域創造フィールドワークC」を受講する11人の学生たちが、視覚に障がいがあってもスポーツ観戦を楽しめる合理的配慮とは何かを探求する授業に臨んでいます。

 この科目はスポーツイベントやスポーツクラブのマネジメントを、学外での実践活動を通じて学ぶものです。毎年テーマを決めて、サービスやボランティアを受ける側の観点から、ホスピタリティを深く考えていく授業を展開しています。今年は視覚に障がいを持つ方の立場に立ったスポーツ観戦の楽しみ方がテーマです。

今回ご協力をいただくのは、北海道日本ハムファイターズの事業運営会社 株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントの皆さんです。学生たちは最終的に、8月23日(水)にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われる北海道日本ハムファイターズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの試合を視覚障がい者の皆さんとともに観戦し、授業のなかで考案したどちらも楽しめるアイデアを現場で実践します。
それに先立ち、6月30日(金)と7月7日(金)には、視覚に障がいを持つ一般の方をお招きし、普段の生活を送る上での困りごとやこれまでの楽しかった体験などについて講話を聴きます。また、7月2日(日)と23日(日)には観戦会場となるエスコンフィールドHOKKAIDOを視察し、試合がある日とない日の現地の様子を確認。こうした事前調査を踏まえながら毎週金曜日の授業のなかで、障がいのある方と一緒に「みる」スポーツを楽しむ方法について議論を重ねていきます。

本学では、総合学園としてのリソースを活用し、集いと交流をとおして教育・研究の成果を社会に還元し、よりよい地域社会づくりに貢献したいと考えています。学生たちによる今回の取り組みも、そうした本学の方針を体現するものです。

【スケジュール】
■視覚障がい者の方による講話
日時 : 2023年6月30日(金)、7月7日(金)11:00~12:30
会場 : 本学札幌キャンパスM1019教室(札幌市南区南沢5条1-1-1)
講師 : 杉本 勝久氏
受講者 : 「地域創造フィールドワークC」を受講する学生11名
内容 :
・視覚障がいとはどんな「障がい」か?
・「先天全盲」者は普段どのように暮らしているか?
・非日常的な場所での活動の際にどのようなサポートが必要になるか?
・視覚障がいの疑似的体験とサポート体験

■エスコンフィールドHOKKAIDO見学
日時 :
2023年7月2日(日)11:00~試合終了まで(混雑が予想されるため取材不可)
7月23日(日)9:00~12:00(この日の試合はありません)
会場 : 北広島駅からエスコンフィールドHOKKAIDO、および北海道ボールパークFビレッジ内
参加者 : 「地域創造フィールドワークC」を受講する学生11名
内容 :
【7月2日】
・試合をどのように解説するとどんなイメージを持てるか実際に試してみる
【7月23日】
・エスコンフィールドHOKKAIDO内および周辺のバリアフリーの状況を確認
・施設内・周辺における障がい者への配慮と思われる場所や設備を調査・記録する

■レクチャーと見学のまとめ
日時 : 2023年8月4日(金)11:00~12:40
会場 : 本学札幌キャンパスM1019教室(札幌市南区南沢5条1-1-1)
講師 : 植田俊講師(本学国際文化学部地域創造学科)
受講者 : 「地域創造フィールドワークC」を受講する学生11名
内容 :
・障がい者への「合理的配慮」について講義を行う
・講義内容を踏まえて、7月2日・23日に行った現地見学の報告と課題点について撮影した写真や収集した資料等をもとに参加者全員で話し合う

■視覚障がい者の方と試合観戦
日時 : 2023年8月23日(水)15:00~試合終了まで
会場 : エスコンフィールドHOKKAIDO
参加者 : 視覚障がい者4名(30代男性1名・女性1名、50代男性2名〔めねっと北広島会員〕)
受講者 : 「地域創造フィールドワークC」を受講する学生11名
内容 :
・スタジアムツアー(ファイターズスタッフによるスタジアム内ツアー)を受講生と参加者とともに周り、ファイターズのプロモーションの観点を学ぶ
・視覚障がい者とともにスタジアム内を周り、当事者がどのようなところに楽しみや面白さを感じるかを知る
・試合観戦(視覚障がい者の方に場内や試合の様子が分かるように解説を経験する)
・スタジアム内の周回と試合観戦を通じて、視覚障がい者の「楽しみ」がどうしたら生まれるか、また支援者としてそれにどう関われるかを現場で考える

■全体の振り返りと反省会
日時 : 2023年8月末(日程未定)
会場 : 本学札幌キャンパスM1019教室(札幌市南区南沢5条1-1-1)
講師 : 植田俊講師(本学国際文化学部地域創造学科)
参加者 : 視覚障がい者4名(30代男性1名・女性1名、50代男性2名〔めねっと北広島会員〕)
受講者 : 「地域創造フィールドワークC」を受講する学生11名
内容 :
・8月23日に行ったフィールドワークの感想やそこで知ったこと学んだことを学生が当事者の前で発表する
・フィールドワークに参加した当事者から、活動の感想や現地の印象、意見などを伺う
・参加者全員でスポーツイベントやスタジアムにおける「合理的配慮」とは何かを考える

【ご参加いただく視覚障がい者の方について】
30代男性 : 中途全盲(幼少期には視覚があり「みた」経験がある)
30代女性 : 先天弱視(中心暗転と低視力)
50代男性 : 中途弱視(視野狭窄(半分から下がみえない)と低視力)
50代男性 : 先天全盲(出生時点で患った病気のため「みた」経験がない)
4名は北広島市を拠点に活動する視覚障がい者団体「めねっと北広島」(2019年設立)の会員です。「めねっと北広島」の主な活動は、障がい者同士の交流や空知管内の名所を巡るバス旅行、ボウリング大会、白杖訓練会など。本学国際文化学部地域創造学科の植田俊講師は、同団体の副会長を務めています。昨冬には学生と植田講師が大倉山スキージャンプ競技場で行われた大会の観戦に視覚障がい者の方と同行し、テレビでは聞くことのできない迫力あるスキージャンプの「音」をともに体感し経験を共有するなど、さまざまな交流を続けています。

■8月23日の北海道日本ハムファイターズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの試合について
試合当日は「東海大学DAY~Once in a blue moon night~」として、球場内でさまざまなイベントを開催します。これは、本学湘南キャンパスの体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科の学生たちが企画し運営に携わるものです。また札幌キャンパス周辺の小学生を招待する「プレイボールキッズ」などの企画を予定しています。


以上

<本件に関するお問い合わせ>
東海大学 ウチムラカンゾウカレッジ札幌オフィス 広報担当:松島・鈴木
TEL.011-571-5111(代表)

一覧へ戻る