猫の島「湯島」で島民と猫への聞き取り調査を実施 ~目指すは猫ファーストな観光地  猫たちのQOL向上プロジェクトが本格始動~

2022年08月15日

▲事前調査の様子
東海大学[熊本キャンパス]文理融合学部地域社会学科教授の前田芳男ゼミで観光や地域づくりを学ぶ学生たちのグループは、“猫の島”として注目される熊本・上天草の離島「湯島」の猫たちのQOL(Quality of Life:生活の質)向上を研究テーマに掲げ、“猫ファースト”の観光地を目指したプロジェクト活動を開始しました。その本格的な活動の第1弾として8月22日(月)と23日(火)の2日間、同島に渡って島民の皆さんと猫たちへの聞き取り調査を実施いたします。

人口300人に対して猫200匹がのんびりと暮らす同島では、猫たちが観光面で重要な役割を果たしています。「その一方で、猫との触れ合いを求めてやってくる観光客が増加し、その多くが餌を過剰に与えていることが、猫たちの健康問題を引き起こしているのではないか。猫には不向きなイカなどを与えている島民の方がいるのも見逃せない――」。本プロジェクトの発足は、メンバーのそんな気づきがきっかけでした。こうして始まった本活動の計画期間は2年間。島の子どもたちからお年寄りまで、じっくりと島民の皆さんの理解を得ながら、自分で健康管理ができない猫たちのQOL(猫QOL)を向上させ、観光客も巻き込んでの猫ファーストな観光地域づくりを目指します。

今回の聞き取り調査では、島の地域おこし協力隊から住民の方を紹介してもらい、猫に適した餌や伝染病の知識、観光客とのトラブルなどを把握することで、猫QOLの阻害要因を明らかにします。また、猫への聞き取りには、鳴き声を防御、戦闘、怒り、幸せ、狩りなど計11のムードに分類してくれる猫語翻訳アプリ「にゃんトーク」を活用。スマートフォンを用いて各所で猫の鳴き声を拾い、翻訳された猫の言葉(ムード)を記録して猫QOLを数値化します。

今後の活動としては、縄張りごとに頭数を調べて「住ニャン基本台帳」を作成し、調査結果は地理情報システム(GIS)を用いてデータベース化することで、猫の分布状態を可視化します。また、「にゃんトーク」を使って島民と学生が交流しながら猫にとって居心地のよい場所などを分析。「猫おみくじ」の試験販売や猫QOL向上の指標づくりのための勉強会なども開催する予定です。

本学では、総合学園としてのさまざまなリソースを活用し、集いと交流をとおして教育・研究の成果を社会に還元することで、よりよい地域社会づくりに貢献したいと考えています。今回の取り組みもそうした本学の考え方を体現するものです。

■「猫の島『湯島』の猫たちのQOL向上のための活動」 実施概要
日時 : 2022年8月22日(月)10:00~17:00(予定) 8月23日(火)9:00~14:00(予定)
会場 : 熊本県上天草市大矢野町湯島
参加者(予定) : 本学学生(10人)および教職員(3人)、湯島住民の皆さん(3人)、ボランティア(2名)
内容 : 猫の島「湯島」での猫のQOL調査

■「令和4年度離島人材育成基金助成事業」採択について
本学学生による「猫の島『湯島』の猫たちのQOL向上のための活動」は、公益財団法人日本離島センターが実施する「令和4年度離島人材育成基金助成事業」(活動助成型)に採択されました。この助成事業は、学生が主体となり離島の住民らと継続的に島づくり活動に取り組むことで、離島地域の活性化や人材育成、課題の解決などに資することを目的としています。「ねこだんご」には上限50万円が助成されます

■2年目の活動について
1年目(今年)に作成する「住ニャン基本台帳」をもとに開発予定の「猫マッピングアプリ」を用いて、猫の行動記録や頭数調査を継続し、猫の集団検診も実施。健康状態によっては血液検査も行います。観光客向けには、「猫QOL向上協力宣言書」による新たな入島制限を提案します。そのほか、少子高齢化を見据えて猫を媒介にした婚活イベントも計画し、湯島への移住を促進する活動を予定しています。

<本件に関するお問い合わせ>
東海大学フェニックスカレッジ熊本オフィス 入試広報担当
TEL.096-386-2608(直通)FAX.096-386-2765
※8月13日~21日は、全学夏期一斉休暇となります。

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