国際文化学部地域創造学科 視覚使わずスポーツを「みる」方法を実践  日本ハム公式戦で8月23日 ~視覚障がい者と協力  授業で議論重ねアイデア具現化~

2024年08月20日

 東海大学[札幌キャンパス]国際文化学部地域創造学科では、選択科目「地域創造フィールドワークC」を受講する11人の学生たちが、視覚に障がいがある方々と一緒に「視覚を用いないで」スポーツ観戦を楽しむ方法を探求する授業に臨んでいます。この取り組みの集大成として8月23日(金)、エスコンフィールドHOKKAIDOで行われる北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークスの試合を視覚に障がいを持つ4人の皆さんとともに観戦しながら、授業で考案したアイデアを実践します。

 

 この科目は、学外での実践活動を通じて、地域社会の実情や、現代社会が抱える様々な問題を「スポーツ」の切り口から捉えて学ぶことを目的としています。毎年テーマを決めて、多様な人々の観点から、地域をいかに創造していくかを深く考えることのできる取り組みを重視。今年のテーマは昨年に引き続き、視覚に障がいのある方の立場に立ったスポーツ観戦の楽しみ方で、北海道日本ハムファイターズの事業運営会社 株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントのご協力のもと、さまざまな活動を行っています。

 

 学生たちは823日の実践に先立ち、これまでに視覚に障がいを持つ方を学内にお招きし、普段の生活を送る中での「見え方」や困りごとの経験、障がいをどう受け止めてきたかなどについて講話を聴きました。観戦会場となるエスコンフィールドHOKKAIDOを実際にも2度訪れ、同行援護する際の注意事項や観戦時の重要ポイントなど、現地の事前調査も実施。こうした活動を重ねながら、視覚に障がいのある方と一緒に「みる」スポーツを楽しむ方法についてアイデアを練り上げてきました。

 

 本学では、総合学園としてのリソースを活用し、集いと交流をとおして教育・研究の成果を社会に還元し、よりよい地域社会づくりに貢献したいと考えています。学生たちによる今回の取り組みも、そうした本学の方針を体現するものです。

【スケジュール】

■視覚障がい者の方と試合観戦

日時

2024年8月23日(金)15:00~試合終了まで

会場

エスコンフィールドHOKKAIDO

参加者

視覚障がい者4名(40代男性1名、50代男性2名・女性1名)

受講者

「地域創造フィールドワークC」を受講する学生11名

内容

・スタジアムツアー(ファイターズスタッフによるスタジアム内ツアー)に視覚障がい者と学生が一緒に参加し、ファイターズのプロモーションの観点を学ぶ

・視覚障がい者と学生が一緒にスタジアム内を巡り、視覚障がい当事者がどのようなところに楽しみや面白さを感じるかを知る

・試合観戦(視覚障がい者の方に場内や試合の様子が分かるよう学生が解説)

・スタジアム内の周回と試合観戦を通じて、視覚障がい者の「楽しみ」がどうしたら生まれるか、また支援者としてそれにどう関われるかを学生が現場で考える

 

■全体の振り返りと反省会

日時

2024年8月26日(月)9:10~11:00

会場

本学札幌キャンパスM1019教室(札幌市南区南沢5条1-1-1)

講師

植田俊准教授(本学国際文化学部地域創造学科)

参加者

視覚障がい者4名(40代男性1名、50代男性2名・女性1名)

受講者

「地域創造フィールドワークC」を受講する学生11名

内容

・8月23日に行ったフィールドワークの感想やそこで知ったこと学んだことを学生が当事者の前で発表する

・フィールドワークに参加した視覚障がい当事者から、活動の感想や現地の印象、意見などを伺う

・参加者全員でスポーツイベントやスタジアムで求められる「楽しみを生む配慮」とは何かを考える

 

【ご参加いただく視覚障がい者の方について】

40代男性

中途全盲(幼少期には視覚があり「みた」経験がある)

50代女性

先天全盲(出生時点で患った病気のため「みた」経験がない)

50代男性

中途弱視(視野狭窄(半分から下がみえない)と低視力)

50代男性

先天全盲(出生時点で患った病気のため「みた」経験がない)

 4名は札幌市を拠点に活動するブラインドマラソンクラブ「伴走フレンドリー」のメンバーです。同クラブは、札幌市南区にある真駒内公園および北海道大学構内を主な活動場所として、毎週土曜日にランニング練習を行うほか、伴走講習会や視覚障がいについて学習する機会を設けるなど、「スポーツを通じた障がい理解と交流」を志向して活動しています。また、4名のうち2名は、北広島市を拠点に活動する視覚障がい者団体「めねっと北広島」(2019年設立)の会員でもあります。「めねっと北広島」の主な活動は、障がい者同士の交流や空知管内の名所を巡るバス旅行、ボウリング大会、白杖訓練会など。本学国際文化学部地域創造学科の植田俊准教授は、同団体の副会長を務めています。昨冬には学生と植田准教授が大倉山スキージャンプ競技場で行われた大会の観戦に視覚障がい者の方と同行し、テレビでは聞くことのできない迫力あるスキージャンプの「音」をともに体感し経験を共有するなど、さまざまな交流を続けています。

823日の北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークスの試合について

試合当日は「東海大学DAY~ Let's Fly Together ! ~」として、球場内でさまざまなイベントを開催します。これは、本学湘南キャンパスの体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科の学生たちが企画し運営に携わるものです。また札幌キャンパス周辺の小学生を招待する「プレイボールキッズ」などの企画も予定しています。

<本件に関するお問い合わせ>

東海大学 ウチムラカンゾウカレッジ札幌オフィス:田中

TEL.011-571-5111(代表)

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