本学建築都市学部建築学科の山川智教授らが参画する研究グループ 「2024年度省エネ大賞」省エネ事例部門 資源エネルギー庁長官賞受賞 ~地域熱供給システムをリニューアル 幕張新都心のビル・ホテル14棟で30%の省エネ実現~

2025年01月31日

 東海大学[湘南キャンパス]建築都市学部建築学科の山川智教授らが参画する研究グループ(東京都市サービス株式会社、清水建設株式会社、高砂熱学工業株式会社、東海大学、芝浦工業大学)は、「幕張DHC改修工事における高効率に向けたシステム再構築」のテーマで、他者の模範となる優れた省エネの取り組みなどに贈られる「2024年度省エネ大賞」(主催:一般財団法人省エネルギーセンター)の「省エネ事例部門 資源エネルギー庁長官賞(業務分野)」を受賞しました。なお、表彰式は129日(水)に執り行われました。

※省エネルギーセンター発表資料  https://www.eccj.or.jp/pressrelease/pdf/241216.pdf

 山川智教授.png同賞を共同受賞した東京都市サービス株式会社は1990年、幕張新都心(千葉県)において国内初の「下水処理水の温度差エネルギーを本格活用した地域熱供給システム」(供給延床面積:947,000m2、オフィスビル・ホテルなど14棟)を導入しました。しかし、供給開始から20年以上が経過し、効率の悪化や設備の老朽化などが顕在化していました。このため、2010年から23年にかけて本学山川教授らが参画し、熱供給開始以降の実績データの分析や運転課題の抽出などに基づき、リニューアルの基本計画から基本設計、実施設計、施工、竣工後の運用改善を実施。その結果、1次エネルギー効率はリニューアル前の1.19から国内トップレベルの1.68へ向上し、従来比30%減の省エネを達成しました。この1次エネルギー効率1.68は、国内の地域熱供給システムの平均0.74(省エネ法による熱供給事業の一次エネルギー換算値(2022年度実績値))に対し、約2.3倍のエネルギー効率となります。

 

 主なリニューアル項目は、①熱源機容量のダウンサイジング ②熱供給システムの再構築 ③熱回収運転の最適化、蒸気製造のヒートポンプ化 ④下水処理システムの運用改善や利用率拡大――など。今回の運転実績分析やシミュレーションに基づく熱供給システムの再構築による省エネは、今後の大規模データセンターや都心再開発に応用可能な事例であることが評価され、今回の受賞に至りました。

 

 本学では、総合学園としてのリソースを活用し、集いと交流をとおして教育・研究の成果を広く社会に還元し、よりよい社会づくりに貢献したいと考えています。今回の山川教授らの研究も、本学のこうした考え方を体現するものです。

 

 

2024年度省エネ大賞受賞 概要

表彰種別

省エネ事例部門 資源エネルギー庁長官賞(業務分野)

受賞者

東京都市サービス株式会社、清水建設株式会社、高砂熱学工業株式会社、東海大学、芝浦工業大学

テーマ

幕張DHC改修工事における高効率に向けたシステム再構築

<本件に関するお問い合わせ・取材申込先>

東海大学 学長室広報担当:喜友名、林

 TEL.0463-63-4670(直通) E-mail:upr@tokai.ac.jp

 

 

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