第77回建学記念式典を挙行しました

2019年11月01日

学校法人東海大学の第77回建学記念式典を、建学記念日にあたる11月1日に湘南キャンパス2号館大ホールで行いました。式には、ブルガリア共和国やアフガニスタン・イスラム共和国、ナイジェリア連邦共和国などの各大使館、在日公館関係者ら、国内外から多くの来賓を迎え、松前達郎総長、松前義昭理事長をはじめとする学園関係者、在学生とその保護者、同窓生ら多数が参列しました。

開式にあたって松前達郎総長が、出席者への謝辞を述べるとともに「学園は『若き日に汝の思想を培え』から始まる4カ条を指針に、明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材を育てることにより、『調和のとれた文明社会を建設する』という理想を高く掲げてきました。一昨年に迎えた建学75周年を機に建学の精神を再確認し、100周年に向けて具現化するためのさまざまな改革に取り組んでいます。本日を、教職員や学生、校友会員の皆さま、学園に関係するすべての方たちが建学の精神を見つめ直す機会とし、新しい時代への出発にしたい」と語りました。

式辞では松前義昭理事長が、学園の創立者・松前重義の生涯をはじめ、東海大学の源流となった望星学塾と建学の歴史を振り返り、「松前重義は大学卒業後に就職した逓信省での毎日を送る中で、“人生いかに生きるべきか”と悩みました。その時、友人に誘われて内村鑑三が主宰する聖書研究会や講演会などに通ったのです。その中で、プロシアとの戦争に敗れ疲弊した国を教育によって再興させた近代デンマークの歩みを知ります。特に、軍人で土木学や地質学に通じ、“外に失ったものを内に取り返そう”と提唱したエンリコ・ダルガスと、ニコライ・グルントヴィが取り組んだ国民高等学校の姿を知り、そこに教育の理想の姿を見出したことで、生涯を教育に捧げる決意をしたのです」と紹介。最後に、「私学には、変えてよいものと変えてはならないものがあります。変えてはならないのは『建学の精神』であり、変えてよいものは時代の変遷に伴う教育のタスクとプロセスです。学園は建学75周年を機に、100周年に向けたメッセージとして『Think Ahead, Act for Humanity~先駆けであること~』を掲げています。このメッセージと創立者・松前重義の情熱と理想を胸に、学園にかかわるすべての皆さまとともにこれからも歩み続けてまいります」と語りました。

式中には教職員の永年勤続者表彰も実施し、勤続30年が71名、勤続20年が78名、合計149名を代表し、勤続30年の江崎雅治付属静岡翔洋小学校校長が松前義昭理事長から表彰状と記念品を授与され、同じく勤続30年の戸谷毅史教養学部長が代表謝辞を述べました。

来賓祝辞では平塚市の落合克宏市長が、「東海大学と平塚市は1985年に交流提携を始め、相互の発展を目指したさまざまな事業に取り組んできました。また、今年1月の箱根駅伝では悲願の総合優勝に輝き、市内で優勝パレードや報告会も開催されました。選手の皆さんの活躍を喜ぶ市民の姿から、長年の交流の積み重ねから大学が市民から愛される存在になっていると感じました。今後も、東海大が地域に開かれ、市民に親しまれる大学であることを期待しています」との言葉をお寄せいただきました。また、湘南キャンパスで開催中の第65回建学祭実行委員会の委員長を務める中川綾さん(工学部4年次生)も登壇。「今回の建学祭のテーマは『LINK』で、つながりや絆という意味です。建学祭はさまざまな団体をつなげ、その場所にいる人たちの心をつなげるのが大切な要素です。この思いを胸に、先輩方が築いてきた建学祭をよりよくするために精進していきます」と決意を述べました。

式の最後には、10月26日に開催された全日本吹奏楽コンクール・大学の部で4年連続7度目の金賞を受賞した吹奏楽研究会による記念演奏もあり、同コンクールで自由曲として演奏した『バレエ音楽「中国の不思議な役人」より』(バルトーク作曲)を披露。髙野二郎副総長が閉式のあいさつで「総長と理事長から建学の歴史、理念、将来に向けた言葉がありました。我々教職員は一体となって教育、研究、社会貢献に努め、社会で活躍する人材の育成に取り組んでいきます」と述べました。

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