建学75周年記念事業で東海大学ソーラーカーチームが「2017ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」に出場し4位となりました

2017年11月07日

学校法人東海大学の建学75周年記念事業の一環で、東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクトのソーラーカーチーム(東海大学ソーラーカーチーム)が10月8日から15日までオーストラリアで開催された「2017ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」に出場。太陽光のエネルギーだけで豪州大陸3000kmを縦断する世界最高峰のレースで4位に入りました。

東海大学ソーラーカーチームは、09年と11年に開催された同レースで優勝しましたが、13年大会では惜しくも準優勝、15年の前回大会では総合3位に終わっており、今大会で世界一奪還を目指しました。大会に向けて、新たなマシンである2017年型「Tokai Challenger」を製作。研究開発段階で世界トップレベルの変換効率を誇るパナソニック製「太陽電池モジュールHIT®」と高容量リチウムイオン電池などを搭載したほか、東レから供給を受けた炭素繊維「トレカT800開繊織プリプレグ」などを使用したCFRPボディを採用。大会の冠スポンサーであるブリヂストン製のソーラーカー用タイヤ「ECOPIA with ologic」を装着し、ミツバ製高効率モーターするなど、多数の国内有力企業から協力を得て、太陽電池面積が2/3に縮小されるなど厳しくなった新レギュレーションへの対応を図っています。

レースでは、予選で9番手スタートにつけた東海大チームは、本戦1日目に北部の街・ダーウィンを出発。直後からごぼう抜きを見せてトップに立ったものの、曇天や悪天候、強い横風など厳しい気象条件もあり2日目以降はオランダ・デルフト工科大学の「Nuon Solar Team」、アメリカ・ミシガン大学などに先行を許し、レース後半は4、5番手争いを強いられる展開になりました。5日目にゴールのアデレードに到達しましたが、最後は3位を走るベルギーbの「Punch Powertrain Solar Team」に一歩及ばず、4位でレースを終えました。なお、Tokai Challengerの総走行時間は39時間48分50秒で、平均スピードは時速79.5kmでした。

チームマネージャーの武藤創さん(工学部動力機械工学科2年次生)は、「この結果に『まだまだよりよいチームを作らなくてはならない』という気持ち。皆が集まり、活気のあるチームをこれからも仲間たちと一緒につくっていきます」と前を向きました。木村英樹総監督(工学部電気電子工学科教授・現代教養センター所長)は、「今大会はレギュレーションの変更により、本学のようにシリコンを用いた太陽電池を搭載する陣営と、人工衛星など宇宙空間で使われる非常に高価な多接合化合物太陽電池を使う陣営の2つに分かれました。上位3チームはすべて多接合化合物陣営であり、本学チームはシリコン系を使った中ではトップの成績を収められたことに意義があったと感じています。今後はレギュレーションのバランスを改善するよう大会に働きかけながら、『世界』に向けて再チャレンジしていきたい」と語りました。

また、今大会では学校法人東海大学の松前義昭理事長を団長とした「東海大学学園校友会視察旅行~ワールド・ソーラー・チャレンジ応援の旅」も実施。教職員や校友会員ら14名が参加し、レース中間点にあたるコントロールポイントのアリススプリングスとゴールのアデレードに駆け付け、チームメンバーを激励しました。また、ゴール後にはアデレード市内で慰労会を開催。学生メンバーや木村総監督、福田紘大監督(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻准教授)、ドライバーを務めた佐川耕平助教(工学部電気電子工学科)をはじめ、特別アドバイザーも含めたチームメンバー全員が出席しました。松前理事長はあいさつで、自ら東海大学ソーラーカーチームを立ち上げ、監督としてオーストラリア大会に参戦していたころの思い出を披露しながら、「メンバーの皆さんは、これまで好成績を残してきたチームの一員としてのプレッシャーもあったことと思います。そういった状況の中で皆さんは非常によくやってくれました。今後もこの経験を生かしていください」とエールを送りました。

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