「柔道の受け身」で高齢者の転倒事故を防げ 第3回安全転倒国際会議開催  ~11カ国から研究者など70人が参加  各国の事例や受け身の最新知見を共有~

2025年12月11日

 「第3回安全転倒国際会議(The 3rd International Conference on Safe Falling for Older People through Judo)」が、121214日の3日間、東海大学湘南キャンパスで開催されます。今回は11カ国から研究者や柔道・医療福祉関係者、学生など約70人が集結。各国の受け身研究の最前線や推進に向けた取り組み事例を共有します。高齢者の転倒、それによるけが防止に向けた「柔道の受け身」の活用策を探ります。

 

 内閣府の「2025年度版高齢社会白書」によると、202410月時点で日本の65歳以上人口は3,624万人に達し高齢化率は29.3%になっています。1994年の14%から急速に進行し、2060年には人口の約4割が高齢者になると推計されています。世界平均でも、高齢化率は1950年が5.1%から2020年には9.4%へ上昇。2060年には約2割まで上昇すると見込まれています。

 また、2021年の厚生労働省人口動態調査によれば、65歳以上の転倒・転落・墜落による死亡者数は9,509人で、交通事故の4倍以上に相当します。このうち、8割以上が平面上での転倒によるもので、高齢者の転倒事故の防止・予防は健康寿命延伸の観点からも重要な課題です。

 

 こうした中、欧州を中心に「柔道の受け身が高齢者の転倒・けが防止に寄与する」という観点から、研究や研修が活発化しています。本国際会議は、欧州における受け身研究をリードする欧州柔道連盟(EJU)科学委員会のメンバーで、英国・ハートフォードシャー大学のマイク・カラン教授と東海大学体育学部の教員らを中心に、202312月に第1回が開催されました。そこで得られた研究成果は、国際柔道連盟(IJF)を通じて世界保健機関(WHO)にも報告されています。

 

 3回となる今回は、前回よりも日程を1日延長し、より実践的な構成を重視したプログラムに進化しました。マイク・カラン教授をはじめ、国内外の専門家が登壇。受け身教育や柔道を参考にした体の動かし方の実演をはじめ、受け身研究の最前線を紹介するプレゼンテーションやグループワークなどを実施します。柔道の受け身が高齢者の転倒・けが予防にどう役立つのか。国際社会が抱える課題に対して、柔道の受け身がどのような可能性を持つのか。研究と実践の両面からアプローチします。

  

■実施概要

名称

「第3回安全転倒国際会議」(The 3rd International Conference on Safe Falling for Older People through Judo

日時

20251212日(金)900170013日(土)9101630、14日(日)9001630

会場

東海大学湘南キャンパス12号館5階第一会議室、武道館

(神奈川県平塚市北金目4-1-1)

プログラム

12日】(12号館5階第一会議室)

900930 あいさつ

マイク・カラン教授(ハートフォードシャー大学、イギリス)

内山 秀一教授(東海大学体育学部長)

9301030 基調講演

サイモン・シアシオニ教授(イタリア)など

11001200 研究発表

マシュー・シャイブ氏、ガブリエラ・マルビン氏(アメリカ)など

12451325 松前記念館見学                    

14151700 研究発表

ジュリア・ハミルトン氏(スウェーデン)

吉田 岳氏(日本)など

16001700 プレゼンテーション

13日】(武道館)

9101200 受け身の指導方法

光本 健次氏(日本)

オスカル・アンドレス教授(スペイン)など                       

13451445 安全な転倒に関する実演

マイク・リプトルト氏(イギリス)など

15201630 柔道の動作に関する実演

アブデロモナミ・エルサイド博士(エジプト)など

 

14日】(武道館)

900940 安全な転倒に関する実演

ジィン・タッカー氏(イギリス)など                       

10001130 グループワーク

13001400 講演及び質疑応答

アガタ・ジャドザック博士(オーストリア)           

14151530 研究発表

アレゾ・アミポウラバシ氏(イラン)など

16001630 

まとめ マイク・カラン教授(イギリス)            

 

備考

本国際会議は全編英語で実施されます。

当日のプログラムは事前にお送りできますので、別紙問い合わせ先までご連絡ください。

 

 

■東海大学湘南キャンパス内地図

東海大学湘南キャンパス内地図.jpg

■アクセス

●小田急線(新宿より快速急行約60分、小田原より約25分)「東海大学前」駅下車徒歩約20分、または『秦野駅行き』『下大槻団地行き』バス(約5分)で「東海大学北門」下車徒歩約5分

 ●JR

JR東海道線「平塚」駅下車『東海大学行き』または『秦野駅行き』バス(約30分)で「東海大学正門前」下車徒歩約5分

 

<本件に関するお問い合わせ>

東海大学 学長室広報担当:喜友名 、林

 TEL.0463-63-4670(直通) E-mail:upr@tokai.ac.jp

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