第2回受け身国際会議開催 柔道の受け身で高齢者の転倒事故を防げ ~19カ国から研究者など80人が参加  各国の事例や受け身の最新知見を共有~

2024年12月06日

 「第2回受け身国際会議(2nd International Conference on Safe Falling for Older People through Judo)」が121213の両日、東海大学湘南キャンパスで開催されます。今回は19カ国から研究者や柔道関係者、学生など約80人が集まり、各国の受け身研究の最前線や推進に向けた取り組み事例を共有し、高齢者の転倒、それによるけが防止に向けた受け身の活用策を探ります。

 

 内閣府の2024年度版高齢社会白書によると、202310月時点の日本の65歳以上人口は3,623万人で高齢化率は29.1%。1994年の同14%から急激に進行し、2060年には人口の約4割が高齢者になると推計されています。世界平均でも、高齢化率は1950年が5.1%だったのに対し2020年には9.4%。2060年には約2割まで上昇すると見込まれています。

 また、2021年の厚生労働省人口動態調査によると、65歳以上の転倒・転落・墜落による死亡者数は交通事故の4倍以上の9,509人。このうち、8割以上が平面上での転倒によるものとされ、高齢者の転倒事故の防止・予防は健康寿命延伸の観点からも重要な課題となっています。

 

 このような中、欧州を中心に受け身が高齢者の転倒やそれによるけがの防止につながると注目され、研究や研修が活発に進められています。本国際会議は、欧州での受け身研究をリードする欧州柔道連盟(EJU)科学委員会のメンバーで英国・ハートフォードシャー大学のマイク・カラン教授や東海大学柔道部の教員が中心となり、昨年第1回が開催されました。研究内容は国際柔道連盟(IJF)を通じて世界保健機関(WHO)にも報告されています。

 

 今回の国際会議では、マイク・カラン教授や東海大学柔道部の上水研一朗監督らも参加し、受け身教育や柔道を参考にした体の動かし方の実演のほか、受け身研究の最前線を紹介するプレゼンテーションやグループワークなどを通じ、柔道の受け身が持つ可能性について考えます。

 

■実施概要

名称

「第2回受け身国際会議」(2nd International Conference on Safe Falling for Older People through Judo

日時

20241212日(木)830170013日(金)8301700

会場

東海大学湘南キャンパス 武道館、17号館2階ネクサスホール

プログラム

12日】(武道館)

900930 あいさつ

マイク・カラン 教授(ハートフォードシャー大学、イギリス)

勝田 隆 次長(東海大学スポーツプロモーションセンター)

上水 研一朗 教授(東海大学柔道部監督、認定NPO法人JUDOs理事)

9301230 実践的なデモンストレーション

「柔道の受け身に関するハートフォードシャー州の取り組み」(イギリス)

「全日本柔道連盟の『受け身のすすめ』

プロジェクト『転倒を防ぐための型を基礎とした運動』」

     曽我部 晋哉 教授(甲南大学)

「型の技術を通じた受身の教育手法」(クロアチア)       な ど

13301430 グループワーク

16001700 プレゼンテーション17号館2階ネクサスホールで実施

「柔道創成期における受け身の考え方 その①

~倒れるとはどういうことか:転がり方・倒れ方~」

     田知本 愛 助手(帝京科学大学)ほか

「柔道創成期における受け身の考え方 その②~指導法『倒れ方の流れ~』」

     畑山 元政 講師(帝京平成大学)ほか

「全日本柔道連盟公認転倒障害予防指導士制度の創設」

     山田 凌大さん(全日本柔道連盟公認転倒傷害予防指導士)ほか

な ど

13日】(17号館2階ネクサスホール)

9301200 プレゼンテーション

「けがのパターンの理解:

転倒によるけがの起きる特徴やその場所の分析」(イギリス)

「受け身:スコットランドの第一段階」(スコットランド)

「高齢者の転倒予防と受け身技術における身体機能の重要性」(スウェーデン)                              な ど

13301445 プレゼンテーション

「受け身プログラムにおける医薬品の介入」(エジプト)

「各国の連盟による自他共栄の取り組み」(イギリス)       な ど

14451515 ポスターセッション

15151535 基調講演

「受け身国際会議の進歩とビジョン」

   マイク・カラン 教授(ハートフォードシャー大学)

備考

本国際会議は全編英語で実施されます。

当日のプログラムは事前にお送りできますので、別紙問い合わせ先までご連絡ください。

■東海大学湘南キャンパス内地図

東海大学湘南キャンパス内地図.png

■アクセス

 

JR東海道線「平塚」駅下車『東海大学行き』または『秦野駅行き』バス(約30分)で「東海大学正門前」下車徒歩約5分

<本件に関するお問い合わせ・取材申込先>

東海大学 学長室広報担当:喜友名(きゆな)、林

 TEL.0463-63-4670(直通) E-mail:upr@tokai.ac.jp

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