今年発見した新種2種を特別展示  7月30日から、海洋科学博物館で

2022年07月27日

東海大学海洋学部の海洋科学博物館では、7月30日(土)~8月28日(日)までの期間、本学の研究者らが静岡県などから新種として今年報告した深海性魚類「フジコンニャクウオ」とゴカイ類「ヤッコカンザシ」の標本を特別展示いたします。
今回の展示では、身近な海でも未知の点が多い生物多様性と、その解明に挑む研究の一端をご紹介いたします。

<「フジコンニャクウオ」について>
村﨑謙太〔むらさき けんた〕助教(東海大学海洋研究所)を筆頭に、福井篤〔ふくい あつし〕教授(同海洋学部水産学科)らが参加する研究グループが、駿河湾などから採集した標本に基づき新種として報告しました。駿河湾産の標本は、海洋科学博物館が実施した深海生物調査で生きたまま採集され、この標本を村﨑助教に提供した当館学芸員の名が新種の学名「Careproctus tomiyamai」となっています。(https://www.tokai.ac.jp/news/detail/_730.html)


<「ヤッコカンザシ」について>
海と陸の間の潮間帯に生息するヤッコカンザシは、日本沿岸で最も個体数が多いゴカイ類の一種であり、南アフリカからインド洋、太平洋にわたって広く分布する単一種だと考えられてきました。しかし、田中克彦准教授(同海洋学部海洋生物学科)が参加する研究グループが、静岡県の御前崎や神奈川県の鎌倉和賀江島などで採集した標本を分析した結果、日本産のヤッコカンザシは別種であることが判明し、新種記載を行いました。
(https://www.tokai.ac.jp/news/detail/post_380.html)

 当館では、総合大学である東海大学のさまざまなリソースを活用し、集いと交流をとおして教育・研究の成果を広く社会に還元し、よりよい地域社会づくりに貢献したいと考えています。今回の特別展示も本学のそうした考えを体現するものです。

■特別展示「東海大学の教員が発見!新種の海の生きものたち」概要
会期 : 2022年7月30日(土)~8月28日(日) ※特別展示期間中は無休
開館時間 : 9:00~17:00(最終入館時間16:30)
会場 : 東海大学海洋学部博物館 海洋科学博物館1階(静岡県静岡市清水区三保2389)
展示物 : ①フジコンニャクウオ 完模式標本※(当館所蔵)
②ヤッコカンザシ コロニー(個体群)の標本(当館所蔵)
※完模式標本:種の基準として世界で1個体のみが指定される、分類学上、極めて重要な標本。なお、標本の劣化を防ぐため、短期の展示とさせていただきます。
入館料 : 【海洋科学博物館】大人(高校生以上)1,500円、小人(4歳以上)750円、シニア(65歳以上)割引750円
※自然史博物館とセットになった共通券も販売しています
▲フジコンニャクウオ
▲ヤッコンカンザシ

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