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フランス船・ニール号 南伊豆沖での遭難から150年 本学の船舶2艇、沈没地点での追悼献花に協力
2024年06月24日
東海大学[静岡キャンパス]所有の小型舟艇「北斗」と「南十字」の2艇は、7月7日(日)12時30分、150年前に南伊豆沖で遭難したフランス船・ニール号の追悼献花のため、伊豆の国市関係者、南伊豆町関係者らを乗せて、妻良港を出港いたします。
フランス船ニール号は1874(明治7)年3月20日未明、現在の南伊豆町入間沖で暴風雨により座礁・沈没しました。日本が初めて公式参加した万博「ウィーン万国博覧会」の展示美術品や現地で購入した西洋美術品を横浜港へ運搬中の事故で、乗員86人が犠牲(行方不明者55名、死者31名)となりました。明治政府にとって初めて国交が絡む海難事故を受けて、当時の足柄県令・柏木忠俊と地域の人々は遭難者の懸命な救助活動にあたったと言われています。この事故から今年で150年。伊豆の国市教育委員会、南伊豆町教育委員会、ならびに東海大学では7月6・7日の2日間、「ニール号と柏木忠俊」と題して、ニール号追悼150年シンポジウムを開催します。今回の沈没地点での追悼献花は、同シンポジウム閉会後に実施します。
東海大学海洋学部の根元謙次教授(当時)らで構成する伊豆西南海岸沖海底遺跡(沈船)調査研究会は2004年から2007年にかけて大規模な調査を行い、その成果により2005年にはニール号沈没地点が静岡県の水中遺跡として登録されました。その後、2017年海事考古学を専門にする本学海洋学部海洋文明学科の木村淳准教授(兼人文学部人文学科准教授)が学生と共に調査を再開、潜水法を専門とする鉄多加志准教授(海洋学部海洋生物学科)と協力し、遺物の3次元写真実測や遺跡の範囲確定を進めています。
本学では、総合学園としてのリソースを活用し、集いと交流をとおして教育・研究の成果を広く社会に還元し、よりよい地域社会づくりに貢献したいと考えています。今回のシンポジウムや献花セレモニーの実施も、そうした本学の方針を体現するものです。
<本件に関するお問い合わせ> 東海大学スルガベイカレッジ静岡オフィス 企画・広報係:金子、小池 |
TEL.054-337-0144