外科
大磯病院の外科は、日本外科学会および、日本消化器外科学会認定修練施設であります。東海大学医学部付属病院(伊勢原)と密接に連携した診療体制を整えております。
一般・消化器外科学を主として特色ある外来及び入院診療を行っています。
外来来院者総数は約40~70名/日、入院患者総数は約40~50名/日であり、手術件数は年間約300件以上に上り、その内訳は大外科手術=約200件以上、食道・肝臓・膵臓=約30件、胃=約60件、大腸=60件、小腸・胆石=約60件で、小外科手術=約60件以上、ヘルニア・痔核・虫垂炎等、外来手術=約50件となっています。
また腹腔鏡下の治療や内視鏡的治療も積極的に、その他心臓血管外科・形成外科などの特殊外来も併設し、地域密着型のHeartfulな診療をモット-に日常診療を行っております。
是非一度、お気軽に何でも御相談下さいますようお願い申し上げます。
「病気を診るのではなく患者さんを診る」をモットーに初診時の診断から入院治療、退院後の外来経過観察まで、個々の患者さんの社会生活を重視した我々の考えうる最高の医療を提供したいと考えています。全国の大学病院レベルの手術はもちろんですが、悪性腫瘍術後の外来化学療法、リハビリテーション、緩和ケア、在宅酸素療法、在宅経静脈栄養療法などにとりくみ、近隣の医院、クリニックの先生方と協力して、かかりつけの患者さんの体調不良時には昼夜を問わず対応が可能な体制を整えるよう努力しています。緊急治療が必要な場合は即日入院が可能となっています。個別の診療に関しては、胃、大腸の内視鏡手術(EMR,ESD)をはじめとして、胃、結腸、直腸、胆嚢、胆管、脾臓などの腹腔鏡手術、切除しない内痔核の硬化療法など患者さんのからだにやさしい治療に積極的に取り組んでいます。また、低侵襲の腹腔鏡手術を行う一方で、食道癌、膵臓癌、肝臓癌に対しては根治手術を目指した拡大手術まで行っております。
外科では常勤6名、非常勤医師1名の計7名で診療を行っています。対象疾患は食道から直腸、肛門までの消化管疾患と肝臓癌、胆石症、胆嚢癌、胆管炎、胆管癌、膵炎、膵臓癌などの肝胆膵疾患、乳腺腫瘍、甲状腺腫瘍、副腎腫瘍などの内分泌疾患、その他、ソケイヘルニア、痔核の診療、手術、抗癌剤治療等を行っています。手術数は年間約450例です。
消化管領域
早期食道癌 | 内視鏡的切除術(EMR/ESD) |
進行食道癌 | 3領域リンパ節郭清を伴う食道切除再建術 |
逆流性食道炎 | 薬物治療 |
食道裂孔ヘルニア | 腹腔鏡下噴門形成術 |
早期胃癌 | 内視鏡的切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層切除術(ESD) 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG) |
進行胃癌 | 2群リンパ節郭清を伴う胃切除、全摘術、化学療法 |
十二指腸乳頭部癌 | 膵頭十二指腸切除術、経十二指腸的乳頭切除術 内視鏡的乳頭切除術 |
胃十二指腸潰瘍穿孔 | 腹腔鏡下大網充填術 |
大腸ポリープ | 内視鏡的切除(ポリペクトミー) |
大腸癌 | 原則として腹腔鏡下手術、化学療法、放射線療法 |
直腸癌 | 原則として腹腔鏡下手術、超低位直腸前方切除術(肛門括約筋温存) 腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術 |
急性虫垂炎 | 原則として腹腔鏡下虫垂切除 |
その他 | 悪性リンパ腫、GIST、小腸腫瘍、クローン病、潰瘍性大腸炎など |
肝胆膵領域
肝細胞癌 | 肝切除術、肝動脈塞栓術、ラジオ波焼灼法(RFA) 経皮的エタノール注入療法(PEIT)、肝動注療法 |
胆管癌 | 肝切除術(門脈塞栓、拡大切除を含む)、肝門部切除術、全身化学療法 |
胆嚢炎、胆石症 | 腹腔鏡下胆嚢切除術、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS) 最近2年間の開腹移行3/230例で1.3%です。 |
総胆管結石 | 腹腔鏡下総胆管切開-切石術、 内視鏡的乳頭拡張術(EPBD)-切石術 内視鏡的乳頭切開術(ESD)-切石術 |
膵臓癌 | 全幽門輪温存膵頭十二指腸切除術、膵頭十二指腸切除術 膵体尾部切除術 |
膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMT) |
全幽門輪温存膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除 |
肝のう胞 | 腹腔鏡下開窓術 |
慢性膵炎 | 膵管減圧手術 |
特発性血小板減少性紫斑病 | |
遺伝性球状赤血球症 | 腹腔鏡下脾臓摘出術 |
肛門領域
痔核 | ALTA療法(ジオン注)、半閉鎖法 |
痔瘻 | Seton法、コアリングアウト法 |
ソ径ヘルニア |
メッシュプラグ法、腹腔鏡下ヘルニア根治術(TAPP法) |
乳腺・内分泌
甲状腺 | 甲状腺手術 |
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
午前 | 西 隆之 | 古川 大輔 | 鈴木 俊之 大谷 泰雄 | 中島 理絵 | 島田 英雄 山田 美鈴 | 第1,5 中島 理絵 第3 山田 美鈴 --------------- 〈心臓血管外科〉 第1,5 山本 亮佳 第3 長 泰則(心臓のみ) |
午後 | 西 隆之 | 古川 大輔 | 鈴木 俊之 | 中島 理絵 | 島田 英雄 山田 美鈴 | * |
腹腔鏡手術とはまず腹壁に5mmから15㎜の孔をあけて炭酸ガスを注入します。炭酸ガスによって お腹がドーム状に膨らんで、内臓が良く見えるようになったところでさらに5mmから12mmの孔を数か所あけて、ここから腹腔鏡専用の鉗子を使って剥離や切除、あるいは吻合を行います。
技術的に難易度が高くなり、手術時間が長くなります。
癒着がひどい場合は開腹手術に移行する必要があります。
癒着が酷い場合や、出血が多くなり、止血が難しい場合などで手術が安全に行えないと判断した場合は速やかに開腹手術に移行します。開腹した場合は従来の傷の大きさとなりますが、手術内容が変更されるわけではありません。
(c)Tokai University Oiso Hospital
現在、外科疾患としては胃癌、大腸癌、乳癌、膵臓癌を中心に外来化学療法を行っています。専任の薬剤師と看護師が常在しており月間のべ70人の患者さんが利用されています。抗癌剤の点滴はすべて助手以上のスタッフが行っており、抗癌剤の血管外漏出などの合併症に細心の注意を払っています。大腸癌においてはすべての患者さんにIVCポートを挿入して患者さんの負担を減らすとともに安全性の確保に留意しています。
従来の注射療法で使われる薬品に比較し、ALTA(ジオン注)は非常に効果が高く、患部に注射する事により、患部が炎症を起こし、組織を繊維化します。これにより、痔核が硬化、切除することなく萎縮します。また、患部を切除するわけではないので、1,2日程度の入院で済みます(手術の場合は10日前後が必要)。これも、新薬を使う事から、経過観察のため入院すると言った意味合いが強く、本来なら日帰り治療も可能と言われています。
東海大学医学部付属大磯病院
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