学校法人東海大学望星学塾
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第417回望星講座

【演題】松前重義と技術者運動 −工業立国論の展開−
【内容】松前重義は、戦前の技術者運動の立役者であり、戦後に科学技術庁を設置し、原子力基本法制定を実現した人物です。戦時下1941(昭和16)年に、科学技術行政の確立に死力をつくした土木技術官僚の宮本武之輔が急死したため、逓信省工務局長に就いた松前は宮本の歩みを継承しつつ、一躍技術者運動のトップリーダに躍り出て行きます。この時期と前後して、松前の科学や技術についての論文や記事の発表が相次ぎます。今回の講座では、松前が宮本率いる技術者団体の日本技術協会に加入し、1937(昭和12)年逓信省工務局調査課長になった頃から1944(昭和19)年工務局長の要職にあったにもかわらず、東條英機による不条理な召集のため二等兵として南方に送られるまでのこれら科学・技術関連論考を、技術者運動とからめて展開・考察します。

【講師】大淀 昇一(元東洋大学文学部教授)
【日時】2017年10月21日(土)14:00〜15:30
【場所】望星学塾・1階ホール
【会場整理費】500円(講座会員無料)
【後援】武蔵野市教育委員会 東海大学同窓会三多摩支部

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第417回望星講座開催報告

第417回望星講座を、10月21日(土)14:00より、元東洋大学文学部教授で「技術者運動」研究の分野において第一人者である大淀昇一先生を講師に迎え開催しました。
冒頭で大淀先生は、東京工業大学助手時代に「技術者の技術論」や「日本の官僚制度」などを勉強する過程で、技術者の地位向上に尽力した宮本武之輔(1896−1941)、その活動を継承した松前重義に出会ったと、この分野を研究するきっかけを紹介。「松前先生のところで自分が学んだことを発表できる機会を頂き感謝します」と挨拶しました。
松前重義は逓信省入省後「無装荷ケーブル通信システム」の研究を通じ、外国の技術に頼らない日本の科学技術の成果を実証しました。しかし当時は、法学部卒業の文系官僚が優遇され、技術官僚は一段低い評価を受けていました。松前はそのことに疑念を持ち、国のために尽力したいという技術者たちとともに活動を展開。このことがきっかけとなり、1940年に「大政翼賛会」が発足すると、日本技術協会会長の有馬頼寧が事務総長に、松前が総務部長に就任しました。「政治の科学化」と「国民生活の科学化」を目指したこの運動は、内務省保守派の反対運動により翌年4月の組織改革で日本技術協会系の要職者が一斉退陣に追い込まれる形で挫折しましたが、松前はこの後も、科学者の視点で反戦活動を行い、技術者のリーダーとして国づくりに尽力していきました。大淀先生の研究によると、宮本武之輔の活動を継承した松前をはじめとする日本技術協会関係者の活動は、日本の戦後復興を支え、1960年代の「国民の所得倍増計画」に基づく高度経済成長の中で花を咲かせました。
講座の最後で、文系官僚や軍部からの様々な圧力を受けた技術系官僚の悲劇に言及し、厳しい時代背景の中で命を賭して国づくりに尽力した先人たちに敬意を表しました。
講座前(13:00〜13:50)には、学園教職員・学生・関係者45名が参加して「望星学塾研修」を開催。初めに、橋本敏明副塾長が講話を行い、東海大学の建学の精神は、望星学塾(デンマークの教育)と科学技術者を育成する高等教育機関を作りたいという、技術者たちの思い(技術者運動)の二つの潮流からなると解説。その後、望星学塾記念館と創立者ご夫妻が住んでいた旧宅(現・松前重義記念館)の見学しました。


大淀昇一先生


会場の様子


望星学塾研修
(松前重義記念館見学の様子)

 

 

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