学校法人東海大学望星学塾
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第416回望星講座

【演題】なぜ村上春樹は読むに値するのか?
【内容】村上春樹は、戦後日本社会の申し子でした。彼の文芸作品は、1980年代以降の日本社会の変化を不気味なほど見事に先取りし、浮き彫りにしました。講座では、なぜ彼の作品が国の内外で読まれ、評価されてきたか、その理由をできるだけ巨視的に捉え、わかりやすくお伝します。

【講師】三輪 太郎(東海大学文学部文芸創作学科准教授)
【日時】2017年9月9日(土)14:00〜15:30
【場所】望星学塾・1階ホール
【会場整理費】500円(講座会員無料)
【後援】武蔵野市教育委員会 東海大学同窓会三多摩支部


第416回望星講座開催報告

第416回望星講座を、9月9日(土)14:00より、東海大学文学部文芸創作学科准教授の三輪太郎先生を講師に開催。67名が受講しました。
はじめに、数々の作品の中にある、村上春樹氏(以下、村上氏)がつくった『言葉』について紹介。そのうちの代表的な言葉として、「『小確幸』=人生における小さくはあるが確固とした幸せ──村上春樹『ランゲルハンス島の午後』より」を取り上げました。この『小さくても確かな幸せ』を手にしたいという思いを、読み手は重ねるのではないかと三輪太郎先生は推測し、村上氏が作った言葉は、世界各国で人気を誇る一つの要因であると解説しました。
村上氏の作品は出てきた当初、文字数が少なく全体像が薄い、表紙の独特なイラスト、文中のイラストなど、これまでの文学作品では考えられなかった形をとり、文学界にあった暗黙の了解を覆したとして批評の的になったといいます。その異才を放った作品は、1979年に掲載された「風の歌を聴け」【群像1979年6月号】(当時29歳)で群像新人文学賞を受賞し、世の目に止まり始めました。しかし実際に文学作品として認められたのは、1982年の「羊をめぐる冒険」から。これを皮切りに、村上春樹作品は日本だけでなく、世界各国でも読まれる文学作品となりました。三輪先生は、数ある作品のうち、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」など代表的な作品を取り上げて、村上作品の特徴を解説。「村上春樹は真新しい小説を書くことで文学の世界を変え、そして新しい言葉も作った。作家は100%自分の作品をコントロールすることができず、30〜40%は無意識の選択をしています。村上春樹の場合、その無意識の選択が社会現象などに大きく関わる部分だったのではないでしょうか」と述べ、村上春樹作品一作一作に込められた思いを読み解きました。
講座の最後には質疑応答の時間がとられ、村上春樹の作品を読む受講者から続々質問が寄せられるなど、活発な意見交換の場となりました。


三輪太郎先生

 

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