学園の総力を結集して未曾有の苦難に挑む

学校法人東海大学総長 松前達郎

このたびの熊本地震の被害状況を目のあたりにして、改めてその猛威に震撼せずにはおられません。亡くなった方々へのお悔やみと、厳しい被災生活を余儀なくされている全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。

熊本県にある学園の教育・研究機関もまた、甚大な被害を受けました。特に南阿蘇村では3名もの本学学生が尊い命を奪われました。彼らの犠牲は耐え難い悲しみです。ご冥福をお祈りすると共に、ご遺族の皆様には学園を代表して心からお悔やみを申し上げます。
また、学生・教職員らの救助、救援にあたって下さった皆様、国内外から本学園へのお見舞いと励ましをお寄せ下さった皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

阿蘇キャンパスはもとより、熊本キャンパスや付属熊本星翔高等学校、認定こども園付属かもめ幼稚園、宇宙情報センターなども大きな被害を受けて、施設の活用にも予断を許さない状況です。学園にとって熊本地震による被災は、過去に経験が無いほどの大変な苦難となりました。学園の全ての教職員がそのことを強く意識して、被災者である熊本の学生、生徒、園児、教職員はもとより地域の皆様を支援し、地域と学園の教育・研究機関の復興に全力を尽くして参ります。今こそ、日本有数の総合大学として長年にわたって培った知識と経験、全国に巡らせたネットワークを駆使して、この難局に挑まなくてはなりません。

学園の創立者・松前重義博士は熊本の地に生を受け、大いなる使命感をもって東海大学を今日の発展に導きました。そのエネルギーとなったのは博士の「建学の理想」に共鳴した同志たちでした。未曾有の苦難は、誰かの救いではなく同志一人ひとりの力によって初めて乗り越えられます。

被災地の生活が一日も早く正常化し、未来に希望を抱ける社会に復興するため、そして、学校法人東海大学建学75周年を迎える2017年には、熊本の新しい未来像が描けているように全学園が一致団結して立ち向かう所存です。どうか皆様の深いご理解とご支援をお願い申し上げます。