国際交流

学校法人東海大学の国際交流活動は、国際的な恒久平和の実現を希求するもので、学術・文化、スポーツなどの交流を通じて国や政治の壁を超えた国際協調と相互理解を目指しています。石油などのエネルギー資源に恵まれない日本は、かつてこれを武力によって国外に求めたため戦争という苦い経験をしました。こうしたことを二度と引き起こさないために世界の国々と平和的に共存していくには、国だけではなく民間レベルの交流が不可欠と、本学園は学術、芸術、スポーツなどの交流を通じて独自の民間外交の道を開いてきました。食糧問題、国際平和、情報技術など人類の多様な課題に対する国際的シンポジウムの開催、東海大学ヨーロッパ学術センターを拠点とした日本文化の紹介、アジア地域からの積極的な留学生の受け入れなど多彩な活動を展開しています。また、世界の大学の英知を結集して国際的な平和の道を開拓するアジア・環太平洋学長研究所長会議を開催するなど、国や政治の壁を越えた民間外交によって、国際的な友好と親善の道を開いています。

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海外拠点

本学園では、1970年にデンマーク・コペンハーゲンに国際交流活動の拠点として東海大学ヨーロッパ学術センターを開設して以来、各国との交流の拠点づくりを展開してきました。1984年には国際的な武道への関心が高まる中で、オーストリア・ウィーンに本格的な武道施設の東海大学松前武道センター(現在はウィーン市に管理・運営を移管)、1988年に海外教育機関としてデンマーク・プレストに東海大学付属デンマーク校(2008年閉校、2009年より独立学校法人が運営する望星国民高等学校〈Idrætshøjskolen Bosei〉になる)、1990年にアメリカ・ハワイに東海大学パシフィックセンターを開設。折しもわが国が経済力を背景に国際的な拡大をしている時期で、それだけに、日本の学術・文化、スポーツを通じた理解の促進が必要と取り組んだものでした。その後、海外連絡事務所を韓国(ソウル)、オーストリア(ウィーン)とタイ王国(バンコク)に開設し、留学生募集や留学生のサポート、様々な学術・文化交流事業のサポートを行っています。

東海大学ヨーロッパ学術センターの活動

東海大学ヨーロッパ学術センターは、わが国とヨーロッパ諸国との学術・文化交流を促進するため、デンマーク文部省の協力を得て1970年に開設されました。デンマークを拠点としたのは、創立者松前重義が、近代デンマーク復興の歴史とその精神的支柱となったN.F.S. グルントヴィ(1783~1872)の思想に共鳴し、それを範として本学園を創設したことにあり、いわば本学園の精神的源流ともいえる国だからです。本センターは、本学園のヨーロッパ駐在機関としての役割を担い、デンマーク文部省だけでなく、ヨーロッパ各国の大学、政府機関などと交流協定の実行に携わると共に、各種分野のシンポジウム、セミナーなどを開催しています。また、日本とヨーロッパの研究者・学生などに、研究、勉学、留学視察などに関する便宜も図っています。本センターの図書館は、約17,000冊の図書、映像資料などを所蔵、日本の人文・社会・自然科学及び日本語に関する図書をそろえ、公共図書館としての役割も果たしています。日本の伝統文化や現代文化の紹介、各種公演、展覧会などの開催、日本家屋やセンターの諸設備を活用した様々な活動を行い、地元住民からも親しまれています。

東海大学パシフィックセンターの活動

東海大学パシフィックセンターに、1992年アメリカ西地区短大認定協会の認可を得て、米国の2年制の準学士号を取得する短期大学「ハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)」を開校。日本、米国、アジア太平洋など世界各国から学生を受け入れています。
なお2015年、東海大学パシフィックセンターおよびハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)は、ハワイ大学とのさらなる連携強化を目指して、同大ウエストオアフ校敷地内に移転しました。

世界の人材育成への貢献

東海大学は1965年から、JICA(独立行政法人国際協力機構)の国際協力事業である、タイ王国のモンクット王ラカバン工科大学(KMITL)に対する人材育成支援活動を行い、同国のエンジニア育成に大きく寄与してきました。現在、東南アジアを代表する工科系大学に成長したKMITLと本学は、国境を越えた教育・研究活動を行うパートナーとして緊密な関係を維持しています。東海大学は、JICAの人材育成支援プロジェクトには、様々な形で協力しており、「ラオス国立大学工学部情報化対応人材育成強化プロジェクト」事業では、ラオス国立大学工学部における情報技術者養成のためのカリキュラム開発を行ったほか、文部科学省、経済産業省、日本国際協力センター(JICE)などと連携し、カンボジア国人材育成支援事業、アフガニスタン人材育成支援プロジェクト、アジア原子力人財プロジェクト(アジア人財資金構想)、ベトナム原子力人材育成プロジェクトなどに積極的に関与し、教育プログラムを開発・実施しています。また、東西冷戦の時代を含め、モスクワ国立大学とは友好関係を続けています。1973年に締結された学術協力協定は、2013年に40周年を迎えました。この協定で日本とロシア連邦を往来した学生・研究者の数は、双方合わせて1,000名を超えています。そのほか、ブラジルのマトグロッソ連邦大学と共に、「遠隔教育による在日ブラジル人教育者向け教員養成講座」を2009年から実施し、2013年8月に卒業式を迎えました。日本にはブラジル人学校が約80校ありますが、ブラジルの教員免許を持っていない教員も多かったことから、社会的な問題になっていました。東海大学は日本側事務局として国内スクーリングなどの調整を行いました。東海大学は、外国政府奨学生も積極的に受け入れており、カザフスタン、オマーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦から学生の受け入れが実現するなど、交流の輪を広げています。これを受け、大学院工学研究科では英語だけで修士号が修得できるコースを設置、また外国人留学生用施設の整備など、学園全体の国際交流推進のためのインフラ整備にも努めています。

グローバル標準の大学を目指して

東海大学が目指す「グローバル人材」とは?

創立者・松前重義は、生前このように語っています。
「本学はグローバルな視野に立って活動することがその使命と考え、現在までやってきた。これからもそれは変わらない一番大切なことである」そんな思いを継承し、本学では右に掲げた基本理念に基づいて、グローバル人材を育成するためにさまざまな取り組みを行っています。本学の目指すグローバル人材とは、「全人類の平和のために他人・他国との違いを容認し、相手のことを考え理解できる人」のことです。

グローバル大学へ向けた取り組みのための基本理念

グローバル市民・大学としての認識

東海大学は建学の精神に基づき、グローバル大学として多様な価値観を尊重し、世界の人々が共存可能な社会の構築に貢献する活動を展開します。

グローバル教育の理念

グローバル化する社会の中で、社会を支え、グローバル市民として新たな時代を築くための自主性と創造性豊かな人材を育成するために、あらゆる教育活動(教育・研究・社会連携・国際連携)を展開します。

グローバル大学としてのガバナンス

一つの地域、国家の枠にとらわれず、すべての学生、教職員に公平で、より学びやすく、また、より働きやすいキャンパスができるアップスパイラルの仕組みを含めた制度と環境を構築し、国際的に通用性の高い評価を得られる大学となることを目指します。

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